2021年12月、愛知銀行と中京銀行の合併に関するニュースが報じられました。今後の経営基盤強化を狙いとして、両行は2024年を目標に早期の合併を目指すとされています。
近年、銀行の合併事例が増えていますが、その際には多くのシステム統合トラブルも生じています。今回は、銀行同士のシステム統合のフローを概観したうえで、合併時のリスクを主に文書管理の面から解説します。
銀行合併時のシステム統合のフローとは
銀行が2行以上合併する際は、通常、通帳・ATMカードの相互取扱いや銀行コードなどの変更に伴うシステム変更、商品・サービスの統一や店舗統合を行うためのシステム統合の検討、という流れでシステム統合を行っていきます。
前者については、一般的にリレーコンピュータと呼ばれる小型コンピュータにコード変換やオンライン取引の仕訳機能を持たせ、各銀行のシステム同士を接続する手法(RC接続)が用いられます。この方法には、もともとの取引銀行のATMや窓口でしか通帳や証書の取引ができないという欠点があるため、どちらの銀行でも取引を可能にするために、ATMと窓口端末を相互に設置するクロス設置という方法が取られます。こうしたシステム変更には多大なコストがかかり、大手銀行の事例では半年間に相当な作業量が必要とされます。技術的な難易度は低いものの、顧客を含めた事前準備と移行作業には注意が必要で、移行作業に伴い顧客の個人情報を記入した書類も増えるため、適切な管理や処分が求められます。
後者については、一方のシステムを残して他方を廃棄する片寄せ方式、両行の機能の良いところ取りを目指す最善機能選択方式、全く新しいシステムを開発して両行を移行させる新システム開発方式という3つの方法があります。それぞれ長所と欠点があり、片寄せ方式では廃棄する側にしかない機能や商品の扱いが課題になり、後から機能を追加する開発を行うとトラブルの原因になりやすいため、既存システムをなるべく変更しないことが成功のポイントです。最善機能選択方式は時間や費用のコストが最もかかり、実務的・技術的には推奨しづらい方法です。新システム開発方式も時間と労力のコストが膨大で、パッケージ商品では解決できないケースが多く、合併の目的や時間・予算に余裕がある場合を除いて採用しづらい方式といえます。こうした点をふまえると、二段階目のシステム統合は片寄せ方式が現実的な選択肢と考えられます。
銀行合併で片寄せ方式を選択した際に想定される文書管理トラブルとは
銀行合併で最も現実的な手法である片寄せ方式でも、一定のトラブルは必ず生じます。特に、廃棄するシステム側の銀行員は、新しいシステムに慣れるまで苦労することになります。
複数の銀行が合併すると、管理すべき文書の量も2倍以上になります。合併時の混乱で文書の紛失や流出トラブルが発生すると、後々の禍根になりかねません。合併後の文書管理の進め方としては、両行の規程を見直し、今後の文書のファイリング方法と過去分の保存文書の管理方法を統一するのが理想です。
しかし、過去分の文書管理手法の統一は現実的に難しく、支店ごとに管理ルールが異なるケースもあり、過去文書を統一したデータベースにできないまま合併後の管理が煩雑になることも珍しくありません。文書管理はなるべく早期に体制を整えないと、時間の経過とともに書類量が増え、必要なコストが積み重なっていきます。規程の見直しや管理台帳の統一を早期に行い、その情報をクラウド上の文書管理システムに取り込んでおけば、その後の管理は格段に楽になります。
まとめ
銀行同士の合併はもちろん、支店同士の統廃合の際にも文書管理トラブルは発生しがちです。現場の運用ルールも含めてサポートしてくれる文書管理の専門家に、早めに相談することをお勧めします。当社では金融機関様も含めて数多くの企業・組織に文書管理のトータルサポートを提供してまいりました。
自行とSRIの文書管理が合うか分からない、実際どの程度のコストがかかるか知りたいといったご質問やご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。オンラインでのご相談も承っております。業務効率化やガバナンス強化のため支店や倉庫を含めた契約書サイクル全体を見直したい、合併や統廃合に伴い文書管理の見直しが必要だがどんな方法やシステムがあるか知りたいなど、それぞれのフェーズに合わせた情報提供やプランのご提案をいたします。
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