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企業法務の業務フローの作り方 ~法務部門の案件管理を効率化する4つの作成ポイント~|Vol.10

企業法務の業務フローの作り方 ~法務部門の案件管理を効率化する4つの作成ポイント~|Vol.10

契約書の作成・レビューだけでなく、コーポレートガバナンス、コンプライアンス、訴訟・紛争リスク対応、社内規程の整備など、多岐にわたる役割を担う企業法務。近年は規制環境の複雑化や事業スピードの加速、グローバル対応などを背景に、法務が扱うテーマは広がり続けています。
一方で現場では、「案件が増え続けるのに担当者が足りない」「進捗が見えずボールの所在が分からない」「紙の原本と電子契約が混在して管理しきれない」といった課題が起きがちです。
国内調査でも、法務・コンプライアンス部門で人員不足を感じる企業は多数派であり、限られたリソースでも“止まらず回る仕組み”づくりが急務になっています。
これから法務部門を新設する企業、あるいは企業法務のやり方を見直したい企業にとっての大きな課題は、雑多でイレギュラーの多い法務業務をどう効率化し、安定運用できる体制を作るかです。
そこで本記事では、企業法務を円滑に回すための「業務フロー作成・再編のポイント」を、最新の実務環境を踏まえて解説します。

なぜ今、企業法務の業務フロー整備が重要なのか

企業法務には、他部署とのやり取りが非常に多く、かつ突発対応が頻発するという特徴があります。営業・開発・購買・人事・経理など、あらゆる部署から相談や依頼が入り、契約だけでなく規程整備やリスク対応なども並行して進むため、業務が“自然に複雑化”しやすい領域です。

この状態で業務フローを整備しないままだと、次のようなリスクが高まります。
・相談や依頼が複数経路に分散し、案件を見落とす
・進捗が可視化されず、締結や回答が遅れる
・担当者ごとに対応品質や判断基準が揺れる
・過去案件が探せず、毎回ゼロから対応する

法務案件の取りこぼしや遅延は、法務部門内の小さな問題では終わりません。契約締結の遅れが事業開始・売上計上を直接止めたり、ガバナンスやコンプライアンス対応の不備が大きな損失や信用低下につながったりするケースもあります。

また、組織規模に関係なくフロー整備は必要です。大企業では多数の案件が同時並行で走るため担当者間の情報共有が不可欠ですし、小規模組織で法務担当が1名でも、事業拡大とともに案件は必ず増え、増員や外部支援が現実の選択肢になります。
「今だけ回っている」ではなく「案件が増えても回り続ける」状態を先に作ることが、業務フロー整備の本質です。

企業法務の業務フローを作成・再編する4つのポイント

企業法務の業務フロー整備では、次の4点を軸に設計すると、実務で機能しやすくなります。

1. 法務の窓口を一本化しておく
2. ステータスの把握と管理を徹底する
3. ヒアリング事項のフォーマットを用意する
4. 過去の法務案件が検索しやすい体制を作る

それぞれ詳しく解説します。

1. 法務の窓口を一本化しておく

企業規模が大きくなるほど、部署ごとに利用ツール(メール、チャット、ワークフロー、口頭など)が異なり、法務への入口が複数生まれがちです。しかし、アクセス方法が何通りもあると、案件の見落としや重複、経路不明が発生しやすくなります。

そこで、「法務相談・依頼はこの窓口へ」とルールを固定し、入口をできるだけ1つに統一することが重要です。

・相談受付フォーム/専用チケット/専用メールなど窓口を統一
・必須入力項目を決め、情報が揃った状態で案件が入るようにする
・例外的に担当者へ直接届いた問い合わせも、必ず窓口へ転送する運用を徹底

窓口一本化は取りこぼし防止だけでなく、どれだけの案件が法務に流入しているか(負荷の見える化)にもつながります。人材不足が常態化する今、まず入口を整えて“案件の総量”を把握できる状態を作ることが第一歩です。

2. ステータスの把握と管理を徹底する

企業法務では複数の案件が同時進行し、契約レビュー、規程整備、リスク案件、調査対応など種類も多様です。だからこそ、案件ごとに実態に即したステータスを設け、進捗を管理する必要があります。

例えば契約案件なら、
・未着手
・確認中(法務側)
・追加情報待ち(依頼部門)
・修正案提示済(相手方確認中)
・双方合意
・稟議申請中
・押印・電子締結済
・原本回収・保管完了

など、「どこで止まりやすいか」が見える粒度で定義しておくと運用が回りやすくなります。

近年は法務DXやリーガルテックの浸透により、進捗管理やワークフローをシステム化する動きも強まっています。案件の可視化は、処理速度だけでなく対応品質やガバナンス強化の基盤にもなるため、早期整備が効果的です。

3. ヒアリング事項のフォーマットを用意する

企業法務の生産性を左右するのは、“最初のヒアリングの精度”です。依頼時点で情報が揃っていないと、後工程で追加確認が発生し、締結までのリードタイムが一気に伸びてしまいます。

そこで、契約書作成・レビューなど主要業務について、ヒアリング項目のテンプレート化を行いましょう。

例として契約レビューであれば、
・取引の目的・背景
・相手方情報
・取引スキーム、金額、期間
・重要条項(責任範囲、検収、解約、知財、秘密保持等)
・希望締結期限/社内優先度

などを必須項目として固定すると、抜け漏れが減り、二度手間を防げます。複数名で法務を回す場合は、対応品質を均一化し属人化を防ぐ“実務ハンドブック”にもなるため、早めの整備がおすすめです。

4. 過去の法務案件が検索しやすい体制を作る

企業法務において過去案件は“資産”です。類似案件や雛形、過去の判断がすぐ参照できれば、調査・作成の工数が大きく下がります。反対に、過去案件が探せない状態では、毎回ゼロから対応することになり、人員不足はさらに深刻化します。

ただし実務では、
・紙の原本はキャビネットで保管
・電子契約・PDFデータは別フォルダ
・勝手な命名ルールや個人保管が混在

という状態になりやすいのが現実です。電子契約が広がっても、取引先事情などで紙契約が併存するケースは今後も続きます。

検索性を高めるには、
・案件番号・契約番号の付番ルール
・ステータスと連動した保存ルール
・相手方、期間、条項などのメタデータ付与
・部門横断で参照できる保管場所の統一

といった運用設計と保存基盤をセットで整えることが重要です。

企業法務の文書管理は“紙と電子の併用前提”で設計する

4つのポイントのうち、特に実装でつまずきやすいのが「ステータス管理」と「検索性の確保」です。背景には、紙契約と電子契約が混在する現場の難しさがあります。

紙の原本が必要な契約も残る一方、電子契約は増加し、契約書は二重管理になりがちです。
この“分断”が起きると、
・締結状況が追えない
・原本回収や保管が抜ける
・更新・解約時に契約を探し出せない
などが発生し、業務フロー全体が停滞します。

理想は、
受付 → 審査 → 合意 → 締結 → 保管 → 検索/更新
という契約ライフサイクルが一本化され、紙・電子どちらでも同じステータス管理と検索導線に乗る状態です。CLM(契約ライフサイクル管理)の考え方も、契約を“締結して終わり”ではなく“運用・再利用まで資産化する”発想に基づいています。

それでも回らないときの現実解:法務アウトソーシングの活用

フローを整え、文書管理基盤を作っても、最終的に回るかどうかは“人のリソース”に左右されます。法務人材不足や兼務、法務部門不在といった現実がある以上、すべてを内製で回し切る前提が合わない企業も増えています。

そこで有効なのが、法務アウトソーシングや外部専門リソースの活用です。契約審査の一次対応や、契約書の保管・台帳更新・データ整備など、運用負荷の高い領域を外部化することで、法務担当者が判断や高度案件に集中できる体制を作れます。

ここで大事なのは、設計や可視化をしないままの“放任的な丸投げ”を避け、業務フローのどこを外部に任せるかを決めたうえで組み込むことです。
逆に、運用設計と進捗の見える化を前提に“安心して一括で任せられる形”で委託するのは、現実的で効果の高い選択肢になります。
フロー整備 × 文書管理基盤 × 外部リソースを組み合わせることで、リソース不足の中でも回転率の高い法務体制へ近づけます。

SRIの契約書管理サービス「BUNTANリーガル」でフローを止めない

企業法務の業務フローは、入口の統一、進捗の可視化、ヒアリングの標準化、過去案件の資産化によって“回る形”に整います。しかし紙と電子が併存する環境では、運用・保管・検索・ステータス管理を一つの流れとして支える仕組みが欠かせません。

SRIが提供する契約書管理サービス「BUNTANリーガル」は、前章で述べた「設計と可視化を前提に、安心して一括で任せられる外部化」を、契約サイクルの運用領域で実現するサービスです。

よくある課題と、BUNTANリーガルでの支援イメージ
・紙と電子の契約がバラバラで、案件の全体像が追えない
電子契約が増えても、取引先の事情や社内ルールで紙契約が残るケースは多く、契約書が二重管理になりがちです。二重管理の状態では、締結済みかどうかや原本回収の状況、更新・解約のタイミングが追えず、ステータス管理が形ばかりになってしまいます。
BUNTANリーガルでは、紙の原本管理と電子データ管理を同じ契約サイクルとして統合し、案件ステータスと連動して把握できる状態を作ります。これにより「締結したのにどこにあるかわからない」「更新時に探せない」といったロスを防げます。
・過去の法務案件が探せず、毎回ゼロから調査・作成している
企業法務では類似案件や雛形、過去の判断が資産になります。しかし管理が散在していると、探すだけで時間が溶け、結果として人員不足がさらに加速します。
BUNTANリーガルは、契約書や案件情報を検索しやすい形で整理・保管し、必要なときにすぐ参照できる状態を整備します。定型案件の処理スピード向上やレビュー品質の均一化、コスト削減につながります。
・法務担当が少なく、運用まで手が回らない
フローは作れても「台帳更新」「原本管理」「データ整備」など運用部分で滞る企業は少なくありません。
BUNTANリーガルは、こうした運用負荷の高い領域をアウトソーシングとして組み込み、法務担当者がコア判断業務に集中できる状態をつくります。

BUNTANリーガルが向いている企業
・契約書が拠点や部門ごとに分散し統一管理できていない
・紙と電子の併用管理が限界に近い
・法務部門を新設したが、運用・保管の型がない
・人材不足の中で契約サイクル全体を見直したい

現状の業務フローと文書管理を棚卸ししたうえで、どこに滞留があり、どこを仕組み化・外部化すべきかを整理し、最適な運用設計と体制整備をご提案できます。ご状況に応じて段階的な導入も可能ですので、気軽にご相談ください。

まとめ:企業法務の業務フローは“早期整備+運用改善”がカギ

企業法務は、案件の多様化・増加と人材不足、紙と電子契約の併存により、放っておくとすぐに滞りやすい領域です。だからこそ、次の4点を軸に業務フローを早期に整備し、回る仕組みを作ることが重要です。

1. 法務の窓口を一本化する
2. 案件ステータスを定義し進捗管理を徹底する
3. ヒアリング項目をテンプレート化し品質を均一化する
4. 過去案件を検索できる文書管理体制を整える

そのうえで、紙・電子併用前提の文書管理基盤と、必要に応じたアウトソーシング活用を組み合わせることで、限られたリソースでも止まらない法務体制が実現できます。

もし「現状の契約フローや管理が限界」「自社に合う運用と外部支援の形が分からない」といった課題があれば、ぜひ一度ご相談ください。現場に即した形で、最適な業務フローと文書管理の仕組みづくりをご支援します。

 

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