今回は文書の安全な管理方法について、個人情報漏えいインシデントの最新動向を前年分と比較しながら解説します。
比較して見えること
現状のセキュリティ情報を集計している業界団体が発表した個人情報漏えいインシデントの年次データを比較すると、前年から漏えい件数が大幅に減少していることがわかります。
これは前年に、複数の金融機関で多数の支店における帳票類の紛失が公表されたことが要因です。そのため、前年比では減少し改善しているように見えますが、実態としては通常の水準に戻ったとみるのが正確です。
悪意のある従業員による漏えい問題がニュースで取り上げられることが多いため、「自社は大丈夫」と考えてしまいがちですが、それは大きな誤りです。原因の内訳を見ると、依然として管理ミス、誤操作、紛失などが多く、これらを合計すると全体の8割以上を占めます。したがって、ヒューマンエラー系のインシデントが情報漏えいの主要因であるといえます。
さらに、漏えいの原因を媒体・経路別に見ると、紙媒体が約6割半ばを占めており、これも例年トップとなっています。そのため、今後注意すべきは紙媒体の管理体制であり、この点を強化していく必要があります。
まとめ
まず取り組むべきは、管理すべき情報(文書)そのものを削減することです。管理対象となる文書が少ないほど、管理は容易になります。
文書を削減する方法は廃棄だけではありません。主に、廃棄、外部委託、電子化の3つの方法が考えられます。これらのどこにポイントを置いてどのように進めていくか、そして一度削減した文書を再び増やさない仕組みをどう構築するか。当社の事例やソリューションを活用した解決方法にご関心のある方は、ぜひご相談ください。
情報漏えいを防ぐための具体策
管理ミスや誤操作といったヒューマンエラーを減らすには、文書へのアクセス権限を必要最小限に絞ること、持ち出し・返却のルールを明確にすること、定期的な社内研修を行うことが効果的です。紙媒体からの漏えいが多い実態を踏まえ、印刷・複製のルール整備も欠かせません。
紙媒体からの漏えいを減らす工夫
紙媒体の漏えいを減らすには、印刷部数の制限や、使用後は速やかにシュレッダー処理する運用が効果的です。可能な範囲で電子化を進め、そもそも紙で持ち出す機会自体を減らすことも有効な対策です。
加えて、外部委託先を利用する場合は、委託先のセキュリティ体制についても事前に確認しておくことが大切です。契約時にセキュリティ要件を明記し、定期的に運用状況を確認することで、委託後も安心して任せられる体制を築けます。
日頃からの小さな積み重ねが、大きな情報漏えい事故を防ぐ最も確実な方法です。
加えて、文書管理システムの導入によってアクセス履歴を自動で記録できるようになれば、万が一漏えいが発生した際にも原因の特定が迅速に行えます。予防と早期発見の両面から対策を講じることが、安全な文書管理の実現につながります。
従業員一人ひとりが当事者意識を持つことが、安全な文書管理を組織文化として根付かせる近道です。
継続的な取り組みが安心につながります。
文書管理のお悩みは、お気軽にご相談ください
