労働安全衛生法の改正により、労働者50人以上の事業所ではストレスチェックの実施が義務化されました。今回はストレスチェック制度における文書管理について解説します。
ストレスチェックの義務化
制度化のポイントは大きく2点です。労働者50人以上の事業所に対して、年1回の労働者のストレスチェックを義務付けること。そして、ストレスチェックの結果を労働者に通知し、労働者が希望した場合には医師による面接指導を実施し、その結果を保存することです。
実施にあたっては、次の3点に特に留意する必要があるとされています。受検者が安心してストレスチェックを受診できる環境づくりに努めること、受検者以外の方にも配慮すること、そして安心して面接指導を申し出られる環境づくりに努めることです。
実施の流れとしては、まず事業者による方針の表明を行い、衛生委員会での調査審議を経て、労働者へ十分に説明し理解と了承を得たうえで、ストレスチェックを実施することになります。これは重要な手順であると同時に時間を要するため、早めに検討を進めることが望ましいでしょう。
ストレスチェックの実施主体は、労働安全衛生法第66条に規定される「医師、保健師その他厚生労働省令で定める者」です。検査結果は、検査を実施した医師または保健師等から労働者へ直接通知されます。労働者の同意を得ずに検査結果を事業者に提供することはできません。したがって、総務部や人事部が主体となって労働者にストレスチェックを受けさせればよい、というものではない点に注意が必要です。
文書管理の観点から
ここからは文書管理の観点での課題です。事業者が実施できず、また閲覧もできないストレスチェックの結果については、事業者が実施者に5年間保存させることが適当とされています。
つまり実施者(医師、保健師など)が保存することになるため、その実施者が複数の企業の分を請け負っている場合、保管に限界が生じ、対象企業にデータ保管への協力を求めてくることも予想されます。自社で閲覧できない文書(データを含む)を5年間保存し、しかも社員の個人情報であるため責任をもってセキュリティ管理を行わなければなりません。5年という期間は決して短くなく、人事異動や退職、事業所の移転などのリスクも考慮する必要があります。
最も重要なのは、受検する労働者が安心してチェックを受けられる環境をつくることと、その個人情報を5年間にわたり事業所内で安全に管理する担当者の負担を軽減することです。
まとめ
事業者を含む実施者以外の者が閲覧できないような措置を講じたうえで、結果が用紙の場合は事業者が管理する事業所内の保管場所、結果がデータの場合は企業内ネットワークサーバー内、あるいは委託先である外部機関の保管場所等で保管することも可能とされています。
文書管理はもちろん、どのようなチェック項目でどう実施すればよいかについても、当社はノウハウを有しておりますので、ぜひご相談ください。
ストレスチェック結果を適切に保存するには
ストレスチェックの結果は、実施者である医師や保健師が5年間保存することとされています。事業者が結果を直接保管することはできないため、実施者との役割分担を明確にし、委託先の保管体制もあわせて確認しておくことが大切です。
文書管理のお悩みは、お気軽にご相談ください
