現代はVUCA(ブーカ)の時代といわれています。VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとったものですが、この激しい変化の波は金融業界にも訪れています。
2020年5月、当時の金融庁長官が京都大学で行った特別講義「金融行政の現状と課題」では、金融行政や金融機関の今後の変革に関する提言がなされました。その一つが、顧客本位の業務運営です。今回は「顧客本位の業務運営」に焦点を当てつつ講義内容をまとめ、その中で文書管理のやり方はどう変わっていくのかを検討します。
金融行政や金融機関の変化と顧客本位の業務運営
金融監督庁や金融庁が発足した2000年前後は、不良債権問題などが深刻化し、いわゆる金融危機を迎えていました。その課題を解決するために、ルール重視の事後チェック行政、厳格な個別資産査定中心の検査、法令遵守確認の徹底といった対策がとられました。
これらの対策が功を奏し不良債権問題は収束し、最低限の利用者保護の仕組みができあがりました。しかしその結果、顧客ニーズに即したサービス提供よりもルール遵守の証拠作りに注力してしまい、金融機関が形式に偏りすぎるといった悪影響も生じました。
その流れで見直されているものの一つが、「顧客本位の業務運営の原則」です。2017年3月に定められた原則ですが、2020年9月末にはその原則を採択し、取組方針・自主的なKPI・共通KPIを公表した金融事業者のリストも金融庁から公表されています。このリストが公開された理由は、「原則」の趣旨を理解し実際に実践するスタンスが欠如している金融機関の事例が散見されたためです。
そこで顧客への意識調査を実施したところ、金融機関の取組みなどの不透明な部分を洗い出し、よりわかりやすく伝えることが課題の一つとして浮かび上がりました。個人情報を多数取り扱う金融機関だからこそ、管理状況のモニタリングや取り組み内容の見える化が必要なのです。
金融業務の「見える化」の実践に必要なプロセスの見直し
業務の見える化を行う場合、現場における危機管理やコストカット、工程の改善など、明確な目的を立てることが最初に必要なプロセスです。業務プロセスの見直しでよく用いられる手法が、業務フローを描き出すことです。フローが可視化されると、どこに問題があるのかが明確になり、「よくわかっていない部分」や「誰かに任せている部分」を精査できます。こうした部分は業務フロー全体のボトルネックになりがちで、組織全体のパフォーマンスを下げてしまうリスクが潜んでいます。
ボトルネックになりがちな業務フロー「文書管理」
金融機関でボトルネックになりがちな部分の一つが、文書管理です。「よくわからない」まま運用ルールに沿って管理をしており、「誰かに任せてしまいがち」な部分といえます。特にセキュリティレベルも種類も様々な文書を大量に扱う金融機関にとっては、最も「見える化」しづらい部分でしょう。支店ごとのローカルルールが設けられているケースもあり、統一できないまま年々煩雑になっていくことも珍しくありません。
今後、銀行や信用金庫などの金融機関では顧客本位の業務運営がさらに求められるでしょう。放っておいても文書の量は毎年増えていき、ボトルネックも増えていきます。したがって、文書管理の「見える化」に取り組むなら、できるだけ早く着手すべきです。
まとめ
当社の文書管理サービス「BUNTAN」は、多くの金融機関様に文書管理のシステム導入と運用のコンサルティングを行ってまいりました。文書管理をしっかりと整えると現場の業務効率も改善されるため、多くの金融機関様にお喜びいただいております。
自行とSRIの文書管理が合うか分からない、実際どの程度のコストがかかるか知りたいといったご質問やご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。オンラインでのご相談も承っております。業務効率化やガバナンス強化のため支店や倉庫を含めた契約書サイクル全体を改善したい、業務体制自体の改善を推進しておりこの機会に文書管理の運用体制を見直したいなど、それぞれのフェーズに合わせた情報提供やプランのご提案をいたします。
文書管理のお悩みは、お気軽にご相談ください
