FIT掲載:金融機関の文書管理体制再構築 ~文書管理システムの導入と東邦銀行様導入事例~

金融機関の文書管理体制再構築


(株)セキュリティリサイクル研究所(以下「SRI」)は、創業以来、一貫して機密文書のみを取り扱ってきた機密文書専門管理会社として、上場企業を中心に、多くの金融機関と取り引きをさせて頂いています。

さて、情報漏えい・誤廃棄・紛失事故の常にトップとなる媒体は"紙"ですが、SRIは取引先の多くが金融機関という事もあり、必然的に文書管理について多くのご相談を受けております。

今回ご紹介する「SRI金融向け文書管理システム」は、実際に長年専業で機密文書管理をしてきたノウハウから金融機関向けに作り込むことにより、文書の誤廃棄、紛失、営業店の文書管理体制の構築、文書管理に掛かる営業店事務量の削減に効果を発揮します。

これまでも、複数の地方銀行様に当社のシステムを採用して頂いております。

システム基本パッケージ

図:金融機関向け文書管理システムの基本構成

(1)各種手書きの管理台帳からシステム入力へ移行

(2)管理バーコード、貼付明細、ラベル等は全てシステム自動出力

(3)保存年限は文書名を選択し、自動設定化(マスタ整備)

(4)倉庫でのロケーション管理、閲覧、廃棄まで、確実な管理を実現

(5)営業店・倉庫・本部をシステム連携し、リアルタイムな管理状況を把握

個人の判断に左右される事なく、重要文書の適切な管理と業務の効率化を促進できる仕組みです。

システムの基本構成とは別に、SRIの考える文書管理システムの特徴・理念があります。

金融機関向け文書管理システムの特徴

①カスタマイズを基本とし、各行にフィットした仕組みを構築

SRIは柔軟なカスタマイズ設計を特徴としています。パッケージだけでは各行それぞれの課題をクリアする事は難しい事もあり、また、システムに運用を合わせる事になると、現場(営業店)に無理が生じ、結果的に継続できないものになってしまう恐れがあります。

投資コストも安いものではないので、継続運用でき、且つ業務効率化を図れる仕組みを一緒に"創"ることが特徴・理念です。

②バーコード、又はカラービットによる管理体系の選択

図:カラービットイメージ

右記の東邦銀行様の"カラービットとタブレット端末を利用した文書管理"※にあるように、ファイル単位を従来のバーコードではなく、カラービットを使用しての管理も選択することができるようになりました。

従来はバーコードによる箱単位、ファイル単位の管理でしたが、ファイル単位の場合、各店へのスキャナ配布、ファイルの読み取り作業があり、事務手間と棚卸作業などの非効率な面がありました。

対してカラービットは、タブレット端末などの動画で一 度に大量の読み込みができる為、読み込み作業等を大きく効率化できます。

その為、SRI では費用対効果の面から、「箱単位=バーコード」、「ファイル単位=カラービット」として位置付けています。

③コンサルティングによるシステム連携

システム設計をするにあたり、サンプリングとして複数営業店の実地調査を行い、規定と現状管理の差を分析。

必要に応じて台帳整備や保存年限の調査、管理規定類見直しなど、各行の様々な課題に対し、運用ルールを提案。

更に、それをシステム連動させ、コンサルティングとシステムの両面からサポートを行っています。

④ファイル用品 供給サービス

ファイル用品は全営業店で統一されていないことが多く、前述のコンサルティングにて提案させて頂き、毎年度末に全営業店へファイル用品を配布する事も可能です。

その際、カラービットを含むファイル背表紙を貼り付けた状態で納品する為、各店は書類が発生したと同時に該当のファイルに挟み込む(カラービット読み取り)だけとなります。

営業店によって発生する書類量、種類も違う事から、導入次年度以降は、システム登録された文書を抽出して用品の手配・配布をするので無駄の発生を低減できます。

以上のような基本パッケージ、特徴をご理解いただき、これまでに複数の地方銀行様にご採用いただいております。

株式会社東邦銀行様取組み事例ご紹介

図:東邦銀行 小野様

当行の営業店保存文書管理業務は、全ての作業が"人の目と手"とういう旧態依然の管理手法であるため、営業店の負担は大きく、また紛失・誤廃棄のリスクも内在していることから、営業店からの改善を求める要望が多くありました。

①毎期初の繰越作業時に各営業店が独自にファイル・テプラを購入し、テプラを作成・貼付しているため、全店での統一感がありません。

②各営業店の保管状況に統一感はなく、また保存作業は、保存期間を規程等で都度確認し"手書き"で文書保存台帳を作成しています。

③各営業店自らが都度店外の倉庫に文書を運搬、倉庫保存中の文書が必要となる場合には都度倉庫まで出向き、年1回の処分時には倉庫から搬出し焼却場へ持ち込んでおり、それぞれ往復3時間.丸1日の作業となるケースもあります。

上記現状を打破し、営業店事務負担を軽減し営業力の強化につなげるとともに、紛失・誤廃棄の防止を図るためにはシステム化は必要不可欠であるとの判断に至り、目指すべき姿を次のように考えシステムの構築に着手しました。

4つのかんたん(綴り→保管→保存→処分)

システム構築の方向性は、文書のサイクルに沿った右記の『4つのかんたん(綴り→保管→保存→処分)』の実現が不可欠ですが、営業店事務負担の軽減にスピード感を持って対応することが重要なため、2段階に分けて取り組むこととしました。

その切り分けは①「綴り → 保管 → 保存/店内」②「保存/店外 → 処分」であり、①についてはシステムを導入し、平成25年4月全店稼動を目指して取り組んでいます。

上記システム化については基本コンセプトである「誰もが"かんたん"に使えることが最良の仕組みである」ことを具現化するために、新しい情報自動認識技術である「カラービット」を採用するとともに、その読み取り機器には「タブレット端末」を導入することで、営業店の利便性向上を最優先として対応しております。

地方銀行"初"となる新しい取り組みが満載で不安も隠せませんが、システムベンダーである株式会社セキュリティリサイクル研究所と力を合わせ、より良いものを創るべく日々汗を流しています。

 

導入事例に掲載されている法人名、個人名、コンテンツは、お客様より許可いただいた上、構成・公開しております。

※カラービットはビーコア株式会社の登録商標または商標です。

※カラービット製品はバーコード、ICタグなど自動認識システムを手掛ける株式会社サトーより提供を受けています。

 

お問い合わせ・個別セミナー